俺様ホストに愛されて


それって、あたし居たらダメなんじゃ。



「あたし、帰りますね」



まさか貸し切りだったなんて。

だからお客さんが少なかったのか。

後ろの人も、どうりであたしを見るわけだ。

貸し切りのところに知らない女がいたら、気になるよね。



「あー、大丈夫大丈夫。妃芽ちゃんが居てくれないと困るんだ」



え……?



相変わらず穏やかな口調のヒロさん。



ユメさんと同じように、シャンパングラスをナプキンで拭いている。



「だって、貸し切りですよね?あたし、関係ないですよね……?」



「うふ。今日はね辰巳(たつみ)君のバースデーパーティーなの。一緒にお祝いしてあげて?」



た、辰巳君?



誰それ。



「えーっ‼あたし、その人知らないし」



知らない人のバースデーお祝いしても、向こうも困るんじゃない?



「「大丈夫、大丈夫」」


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