俺様ホストに愛されて
見上げると、そこにはリュウがいた。
「だーれがナイトだって?」
クールな表情を浮かべてはいるけど、目は明らかに怒っている。
鋭く刺すようなリュウの視線はあたしではなく、あたしの隣にいた白スーツさんを射抜いていた。
「そんなに睨むなよ」
苦笑しながら隣の白スーツさんが言う。
「うっせぇ、触ってんじゃねぇ」
聞いただけで、明らかに不機嫌だとわかるリュウの声。
なんでそんなにご立腹なの?
リュウの視線が白スーツさんからあたしに流れた。
キリッとしたその瞳に見つめられると、鼓動が高鳴って落ち着かない。
ドキドキしすぎて、まともに顔が見れない。
さっき、脳内パニックに陥りかけたせいだよね?
「お前も……知らない奴に無防備な姿見せてんじゃねぇよ」
いつもは締まりのない顔なのに、キリッとした今のその顔は反則だ。
「おい、聞いてんのか?」
白スーツさんをぐいっと押し退け、リュウがあたしの隣に座った。