俺様ホストに愛されて
MAX機嫌の悪いリュウに絡まれておどおどしている姿を見ていたら、なんだかとても可哀想に思えて来た。
「幹事さんを困らせちゃダメだよ?リュウの為に企画してくれてるんだから。ね?」
掴まれていない方の手で、リュウのスーツの裾をギュッと握る。
一瞬だけリュウの指がピクッと動いて、すぐにそれはあたしの指を絡め取った。
それだけで、胸の奥の方がキュッと疼く。
恋人繋ぎ……ってやつだよね、これ。
なんか、恥ずかしいな。
でも、嫌じゃない。
さっきまで険しかったリュウの顔が、みるみる内に綻び出す。
「わかったよ」
そう言ってあたしの頭をくしゃりと撫でると、またキリッとした顔に戻って名残り惜しそうに絡めていた指を解いた。
「で、なにすんだ?」
ノボル君の方へ歩み寄りながら、穏やかな口調でそう言ったリュウを、あたしは胸を高鳴らせたまま見つめていた。