俺様ホストに愛されて
いざ、出陣
【妃芽side】
あれから1ヶ月。
結局どこにも行く当てがなく、職も失ってしまったあたしは実家に帰って来た。
リュウはどうしてるかな?
あたしは
なにもしていない。
実家でグータラ生活中。
なにもする気になれなくて、ただ毎日を抜け殻のように過ごしていた。
「飯でも行かないか?」
遠慮がちに姿を現したのは、あたしの双子の兄でもある大樹(だいき)。
今でこそ落ち着いたけど、昔は暴走族に入って悪さばっかりしてた。
そんな大樹があたしを誘うなんて、かなり珍しいことだった。
「大樹の奢りなら」
いつまでもウジウジしていられない。
このままじゃダメ。
家に引きこもりきりだったあたしは、大樹に連れられて地元の居酒屋に入った。