俺様ホストに愛されて
「好きなの頼めよ」
優しく笑うその顔は、昔の姿からは想像がつかない。
2年で人ってこうも変わるんだね。
春だというのにほんのり日焼けしている大樹は、建設会社で真面目に頑張っているらしい。
2年か……。
長いようで短い時間。
その間に本当に色んなことがあった。
太一と離れたくなくてあの街に引っ越して。
最初は寂しくて仕方なかったけど
今となってはあの街が恋しくて仕方ない。
差し出されたメニューを見ることなく、ただ静かに顔を伏せた。
毎日毎日、リュウのことばかり考えてるよ。
バカだよね。
自分から手離して
番号もアドレスも変えたのに
リュウから連絡があることを期待してるなんて。