俺様ホストに愛されて
「あの男、知り合いか?」
俯いてしまったあたしに大樹が言った。
え⁉
あの男……?
「さっきからずっと付けられてる……まさか店ん中まで入って来るとはな。目立つ格好しやがって」
吐き捨てるように言い放った大樹の言葉に、恐る恐る顔を上げる。
「姫ちゃん」
え……⁉
どうして⁉
そこには白いスーツを着たイッキさんの姿。
相変わらず穏やかに笑っていて、その顔は少しだけリュウに似ていた。
呆然とするあたしの元へやって来たイッキさんは、大樹の隣の椅子に我が物顔で腰を下ろした。
「なに勝手に座ってんだよ?」
そう言って怪訝な表情を見せた大樹は、喧嘩腰でイッキさんに突っかかる。
「あ、ごめんごめん。お邪魔します」
イッキさんは穏やかにそう言って退け、喧嘩腰の大樹に極上スマイルを向けた。