俺様ホストに愛されて
運転席に乗り込んだ大樹。
あたしは助手席を亜希に譲って後部座席に乗り込んだ。
大樹の車はトロピカルフルーツの匂いがする。
「ねぇ……まさか、会いに行くとか言わないよね?」
助手席の亜希が、運転席でエンジンを掛ける大樹に訊ねる。
「ん、そうだけど?」
げっ、やっぱり⁉
大樹はそうと決めたら即行動に移すタイプ。
多分、あたしの煮え切らない態度を見てそう決めたんだろう。
いつもそう。
悩んでウジウジしてるあたしの背中を、大樹は強引に押してくれてた。
よしっ、覚悟を決めよう。
どの道、あたしはきっと会いに行くことを選んでいたと思うし。