俺様ホストに愛されて
「なんで付いて来んの?」
角で降ろして欲しいと言ったのに、大樹は車をコインパーキングに停めてあたしの後を付いて来た。
亜希もホストクラブに興味津々で、一緒に乗り込んで来るつもりらしい。
「んな危ない場所に一人で行かせられるかよ。亜希、お前も浮かれてんじゃねーよ」
ブスッと膨れっ面をしてみせた大樹は、はしゃぐ亜希をじとっと睨み付けている。
「えー、だってどんなところか興味あるもん!まぁ、妃芽が心配だっていうのもあるけどね」
まったく。
過保護にもほどがある。
あたし、子どもじゃないんだけど?
時刻はもう夜の11時。
ネオン街であるこの通りは、今日もまた一番の賑わいを見せている。
周りの人はみんな綺麗に着飾っているというのに、あたしはかなり野暮ったい格好。
こんなことになるなら、もうちょっとオシャレして来れば良かった。
あ、でもオシャレしても意味ないか。