俺様ホストに愛されて
制裁と終焉
「ちょっと‼正気なのッ⁉」
やって来たのは太一の部屋の前。
マンションの1階に位置するここは、エントランスを入って真正面にある。
「もちろん、正気だよ」
冷静さを失っているみゆちゃんの声と、淡々と話すあたしの声が響く。
時刻は深夜0時過ぎ。
近所迷惑になるかもしれないけど、そんなことは構ってられない。
「会ってどうするつもり⁉ヨリ戻すの?やっぱり、あんたまだタイ君のこと好きだったの?」
ぎゃあぎゃあ騒ぎ立てるみゆちゃん。
そんなみゆちゃんを無視して、あたしは震える指でインターホンを押した。
ピーンポーン
「マジで押してるし」
みゆちゃんの悲痛な声が聞こえたかと思うと、扉の向こう側から足音のようなものが聞こえて来た。
ガチャ
ゆっくりと開かれる扉。
あたしは息を呑んでそれを見つめていた。