俺様ホストに愛されて


「……芽‼妃芽‼」



誰かがあたしを呼ぶ声が聞こえてハッとした。



「んっ……」



ゆっくり目を開けると、すぐそこにリュウの顔があった。



「……っ」



そのあまりの近さに思わず仰け反る。



寝起きにこんな不意打ちってないよ。



亜希と楽しく飲んだ後、どうやら寝てしまっていたらしい。



「おはよ、目覚めたか……?」



目を細めて笑うリュウの顔を見て、寝起きから幸せな気持ちになった。



「うん、覚めたよ」



寝心地の良かったVIPルームのソファーから体を起こして辺りを見渡す。



窓もなくて薄暗いここは、時間の感覚を狂わせる。



今、何時くらいなんだろ……?



「あれ……⁉亜希と大樹は?」



さっきまでソファーで寝ていたはずの大樹と、豪快に笑いながら飲んでた亜希の姿が見当たらない。



「仕事があるから帰るつって、2時間ぐらい前に帰った」



「え……?起こしてくれたら良かったのに。っていうか、放って帰らなくても」



薄情者め〜‼


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