ハッピーバレンタイン!!
「お、覚えてるよ・・・アル」

私の口から出たアルベールの愛称にピクリと女の子たちの眉が動く。
女の子たち絶対怒ってる・・・絶対あとでなんか嫌味言われる・・・!!!!

「よかったぁ〜!!
緋奈ちゃんが俺のこと忘れたら俺死んじゃうよぉ〜」

それなのにアルは能天気にそんなことを言う。

「もう、アル!!
変なこと言わないでよっ!!」

私は真顔でそう言うと、プイとそっぽを向いた。
私の目の前には百合。

・・・・・。

「緋奈、お前変わったな。」

唐突に百合から言われた言葉。私は驚く。

「どこが!?
どんな風に!?」

百合は慌てふためく私の目をまっすぐ見て言う。

「背が小さいのは変わんないけど、なんか・・・前より可愛くなった・・・かな?」

百合の言葉は段々と小さくなり、はっきり聞こえなかった。

「百合、今なんて?」

< 30 / 65 >

この作品をシェア

pagetop