溢れる蜜に溶けて
ぼわっと寄る熱。視線が左右に動いて焦点を合わさない。
「いっ、いや!あの…別に深い意味はなくて(深い意味ありまくりだけどっ)」
私の反応に対して慌てたように言葉を濁す朝比奈くん。止まった足にくっつくスリッパの感触が気になって仕方ない、です。
そういう風に言われたら、言葉の裏を考えてしまいます。
「僕はただ純粋に透ちゃんと花火行きたいなって思ってるんだ。透ちゃんが嫌ならそれでいいし。ぼっ、僕は」
「朝比奈くん、私…え、と」
「透ちゃんのことすきで…」
「はっ!?ちょっ、お前それ告白」
「!(やばい、大失敗、した)」
微かに聞こえた朝比奈くんの、二文字にお友達が、かなり驚いた(と言うよりは焦った)様子で口を挟む。
朝比奈くんの白い肌に乗る赤。俯いてもわかる耳の色。
伝染したように私も恥ずかしくなって。上手く笑うことが難しくて下唇を噛んだ。
こっ、告白…。ほんとに告白、なのでしょう??