世界を濡らす、やまない雨
「そういえば道木さん、最近は幸田さんとはあんまり仲良くしてなかったよね」
「えぇ、まぁ」
「何かあったの?でも、結果的にはよかったよね。余計なことに巻き込まれたら迷惑だし」
余計なこと……
迷惑……
おそらく、特に悪気はなく言ったであろう先輩のその言葉に、私は胸の奥で小さな抵抗を覚えた。
けれどそれを口には出せない。
口を閉ざしていると、先輩が付け足すように言った。
「辞めさせられるのかな、幸田さん。まぁどっちにしろ、噂が事実なら平気な顔して会社にはいられないよね。現に課長の方は飛ばされてるんだし」
そのとき、フロアのドアが開いて有里が入ってきた。