世界を濡らす、やまない雨
◇
高校一年生の一学期。
新しいクラスにもようやく馴染み始めた頃、毎日学校に履いてきていたローファがなくなった。
授業が終わって、クラスの友人と一緒に帰るときのことだった。
「あ、靴がない」
「え、嘘?」
友人が目を大きく見開いて、私の靴箱を覗き込む。
空っぽの靴箱を見て、私はひどく嫌な予感がした。
自分に、何か過失があっただろうか。
頭の中にある最近の記憶をぐるぐると辿って、靴がなくなるようなことをした覚えがないか考える。
けれど、いくら考えても何も思いつかなかった。