世界を濡らす、やまない雨
通り雨だろうか────……
雲のかかった空を仰ぎながら、もう靴は見つからないだろうな、と絶望的な気持ちになった。
雨が降る日は、昔からろくなことがない。
だんだんと雨脚が強まる中、私は空を見上げて降りしきる雨に打たれていた。
雨を受けて痛くなった目を閉じたとき、突然雨がやむ。
不思議に思って目を開けると、頭上に透明なビニール傘が広げられていた。
「これ、使って」
男の子の声がして、傘が手渡される。
振り向いたとき、彼は既に私に背を向けて校舎のほうに駆け出していた。