世界を濡らす、やまない雨
駆けていく彼の姿は、まるで吹き抜ける風のようで────……
あとになって思うと、あれは角谷の後姿によく似ていた。
翌日学校に行くと、私の靴はちゃんと靴箱の中に入っていてそれから二度となくなることはなかった。
確かになくなったのに、誰が戻してくれたのか、どこにあったのかさっぱりわからない。
裏庭で知らない男の子が差し出してくれたビニール傘はずっと返せないままで、多分今も実家の傘立てに立てかけられている。