世界を濡らす、やまない雨
「もし君の世界を濡らす雨がやまないなら、俺が傍にいてずっと傘を挿していてあげる。君がいつでも安心して休めるように……」
角谷のその言葉に、感情が激しく揺さぶられる。
「だけど、いつかきっとやむよ。俺は今まで一度も、やまない雨を見たことない。今みたいにほら、ちゃんと日が差してくる」
窓から差し込む朝日は、もうだいぶ上がり始めていて空が眩しいほどに明るい。
やっぱり、あのとき差し出された傘は────……
吹き抜ける風のように駆け抜けていったその背中を思い出しながら、私は角谷に手を伸ばす。
そしてその首に腕を絡めると、私から初めて彼の唇にキスを落とした。
― Fin ―


