世界を濡らす、やまない雨
けれど、高校三年生の秋、大学受験を間近に控えた私は作りものの笑みで一日をやり過ごすことに少し疲れてしまっていた。
成績は悪くない。
けれど、志望の大学に届くほどの実力がない。
今のままでは志望大学には届かない。
受験勉強のストレスが作り笑いで高校生活をやり過ごしている私の心を絡めとり、疲弊させ、憂鬱にさせた。
まだぎらぎらと空に居残り続ける太陽に半袖のブラウスから剥き出しの腕を焼かれながら、憂鬱な気持ちで学校から駅へと続く坂道を下りていく。
だらだらと長い坂道を下りながら、私はふと佳乃の顔を思い出した。
私よりも何ランクもレベルの高い高校へ入った彼女。
中学で成績のよかった彼女は、きっと高校でも好成績をあげていることだろう。