長い夜の甘い罠【完】


家に着くと玄関のドアを開きただいまと声を掛ける。

いつもならお帰りとお母さんの明るい声が聞こえるのに、妙に静まり返っている。

皆、居る筈なんだけど、どうしてこんなに静かなの?

もしかして皆寝てる?

玄関でスニーカーを脱ぎ、敷居を跨ぐとリビングへと向かった。

リビングへと繋がるドアを開き中へ一歩足を踏み入れた途端、手にしていたバスケットを落としてしまった。


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