長い夜の甘い罠【完】


「何でも聞いてくれるって言ったわよね?なら、婚約を解消してくれるかしら?」

「…は?」


男は目を丸くさせ、驚いた様に私の顔をじっと見つめてる。

まさかこんな形で振られるなんて思わなかったでしょう?


「私、端から貴方の事を愛してなかったのよ。ただの暇潰しに一緒に居ただけなの」

「………」


男は急に口ごもる。

上手くいったのかしら?

これが現実よ。

貴方が私にした事に比べれば、これくらいどうって事ないわ。沢山傷付けばいい。


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