長い夜の甘い罠【完】
「顔に書いてある」
「…それは」
男はじっと私を見つめる。その視線に躊躇ってしまっている自分がいる。
言うなら今よね。
今がチャンスだわ。
「言いたい事があるなら遠慮せず言え。聞ける範囲なら何でも聞いてやる」
男はゴツゴツとした大きな手を伸ばし私の頭をポンポンと撫でる。
何故私に優しくするの?
優しくするならどうして私の家族を殺したりしたの?
訳が分からないわ。
私貴方の事…大嫌い!