長い夜の甘い罠【完】


男は私の腕をぐっと掴んだまま立ち上がると、私の腕を引き寝室へと連れ込む。


「ちょっと!痛っ…」


男は頭にきているのか、私の二の腕を強く掴んだままキングサイズのベッドへ倒された。


「…悪く思うなよ」

「…え」


ベッドサイドの柱へ腕をぐっと伸ばされ、カシャンと甲高い音と共に手首を拘束された。

……手錠?

嘘、信じられない。

手錠で括られてる?


「ちょっと何をするのよ!」

「頭を冷やせ」


男は冷たい視線で言い放つと、寝室から出て行ってしまった。


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