長い夜の甘い罠【完】


「…何処までポジティブなの」

「…俺は、お前を離すつもりはない」


男は唐突に真剣な鋭い眼差しで私を見つめながら、言葉を紡ぐ。

離すつもりなくても、私は貴方から離れたいのよ。

これ以上一緒に居たくない。


「私は貴方と離れたい」

「縛ってでも傍に置いておく」

「絶対に嫌」


私は部屋から出て行こうと、椅子から立ち上がって直ぐ、男は腕を掴み離してくれない。

無理矢理、力ずくで振りほどこうとしても全くビクともせずで…。


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