長い夜の甘い罠【完】
こうでもしなけりゃあ、お前は落ち着かないだろうし、何よりも俺から遠ざかるのが目に見えていた。
それだけは避けたかった。
情けない男だな、俺は。
お前を守ると決めたその日から今まで、強くなる為に努力して来たつもりだ。
なのに結果がこれか。
結局俺はお前を傷付けて、傷口をえぐっているだけなんだな。
それでも俺はお前を手放したくない。
お前を傷付けようと、沢山泣かせ様と手放すつもりはさらさらない。