長い夜の甘い罠【完】
これからどうしようか。
目が覚めたらお前はきっとまた、離れるだの何だの言うんだろうな。
いつまでも繋いでおく訳にもいかねぇし、どうすれば良い?
説得は無駄だろうしな。
いっそのこと、すぐに見つけられる様に発信器でも付けておくか……なんてな。
「……お母さ…ん……」
不意に口にした寝言から、母親の愛情を求めている事が見て取れる。
…無理もないな。
お前が中学生の時、家族を失ったんだもんな、母親に会いたいって思うのは当たり前か。