長い夜の甘い罠【完】


「悔しいけど、私じゃダメなんです。隼人の頭の中は貴女でいっぱいだから…」

「そんな事を言われても…」

「本当はこんな事言いたくないですけど…隼人と向き合ってくれませんか?勿論、おじさんがした事は許される事じゃないです。けど…隼人は隼人なりに貴女を守りたいんです…」

「……本当かどうか確かめます」

「そうして下さい」

「一つだけ聞いても良いかしら?」

「何ですか?」

「隼人はどうして守る事を選んだの?私の事放っておいても良かったのに。どうしてそんな事…」

「貴女が好きだからです」

「…まさか」


まさかそんな訳ないわ。

ただの同情からに決まってる。


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