長い夜の甘い罠【完】
「私の家族を殺したのは…貴方の父親って本当?」
「……あぁ」
「それじゃあ…どうして貴方は、あの場に居たの?」
「…親父を止める為に行ったが、間に合わなかった」
「…そうなの」
さっきの女性が言っていた事は本当だったの…?
嘘はないって事?
まだ信じていない自分がいる。
何処かで二人を疑ってる。
「…親父が…すまない事をした」
「………」
「今更謝ってどうこうなる事ない事は分かっているが、謝りたかった…」
男の表情からは心底謝っている事が窺えた。