長い夜の甘い罠【完】
三十分程経ってから男が部屋から出て来た。
男は驚いた様子でこちらをじって見つめている。
「…居たのか」
「聞きたい事があって戻って来たの」
「聞きたい事?何だ?」
一旦深呼吸をして高まる胸の鼓動を落ち着かせる。
真実を知るのは少し抵抗があるけれど、本当の事を知りたい。
もし私が勘違いしていたとしたなら…新しい真実を受け入れられるか分からないけれど…知らなきゃいけない気がするもの。
私は本当の事が知りたい。