長い夜の甘い罠【完】


三十分程経ってから男が部屋から出て来た。

男は驚いた様子でこちらをじって見つめている。


「…居たのか」

「聞きたい事があって戻って来たの」

「聞きたい事?何だ?」


一旦深呼吸をして高まる胸の鼓動を落ち着かせる。

真実を知るのは少し抵抗があるけれど、本当の事を知りたい。

もし私が勘違いしていたとしたなら…新しい真実を受け入れられるか分からないけれど…知らなきゃいけない気がするもの。

私は本当の事が知りたい。


< 147 / 231 >

この作品をシェア

pagetop