長い夜の甘い罠【完】
「美咲ちゃん、だよね?」
「ええ、そうだけど」
「これ美味しいよ。食べてみて」
好青年が私に差し出して来たのは、チーズとトマトの乗ったクラッカーだった。
それを受け取り一口食べれば、その美味たる味に目を見開き驚く。
こんな美味しいクラッカー食べたの初めてだわ。とても上品で凄く美味しい。
「凄く美味しい!」
「でしょでしょ?これは俺のオススメ。美味しかったから是非美咲ちゃんにも食べて貰いたくて」
好青年は私の空になったグラスへロゼワインを注いでくれた。