長い夜の甘い罠【完】


好青年になつかれたのか、私の隣りから移動し様とはせずに結局終盤までずっと話してた。

仕事の事や趣味の事等話している内に時間が来てしまい、男性陣がお会計を済ませてくれた為礼を述べてから自動ドアを潜り外へと出る。


「美咲ちゃん、良かったらこれ俺の連絡先なんだけど…」


好青年が名刺を差し出して来た矢先、友人が私の肩をトントン叩いて前方を指差している。


「アレって…」

「ん?どうしたの……――え」


視界に飛び込んで来たのは見た事ある車に、見た事ある人物……そこには元婚約者の男が立っていた。


< 160 / 231 >

この作品をシェア

pagetop