長い夜の甘い罠【完】


男とのキスは心地良く、自然と身体の力が抜けてしまう。

大きくゴツゴツした手で撫でられるのは好きで、逞しい腕に抱かれるのは安心する。

今だってそう。相手がこの人じゃなかったら、昨夜あんなにぐっすり眠りについてなかったかもしれない。

この男の言う通り、私はこの男に惹かれてる…?

惹かれてると言うより…これが好きって気持ち…?


「……美咲、好きだ」

「……っ…」


男の真剣な眼差しからは、嘘偽りのない事が理解出来るものの、素直に喜べない。

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