長い夜の甘い罠【完】


…明日の夜には離さなきゃならないのに、私って本当に勝手。

隼人は二人分の入場券を買ってくれて、水族館内に入ると早速全面ガラスで出来た水槽のトンネルへ足を踏み入れた。

エイを始め、様々な海の魚がトンネルの周りを優雅に泳いでいる。

トンネルだけに、まるでそこは海の中に居るみたいな感覚に襲われ暫くの間魚にじっと見とれた。


「凄いわね」

「だな」


特に会話がなくても十分に楽しめて癒される空間を堪能すれば、奥へと向かって足を進めた。


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