長い夜の甘い罠【完】
ラッコを見た後はアマゾン川に住む、ピラニアやピラルクーを見てからイルカショーのステージへと向かった。
「前が良いか?それとも後ろか?」
「んー、間を取って真ん中」
「分かった」
幾つもある客席の丁度中心部の席に付き腰を下ろすと、不意に隼人が私の腰へと腕を回して来た。
いつもなら何とも思わないけれど、何故か妙に気恥ずかしくて意識してしまう自分がいる。
互いの距離が近付けば近付く程ドキドキして、胸が高鳴るのがよく分かる。