長い夜の甘い罠【完】
イルカショーが始まり、イルカがスピンしたりジャンプしたりするのを鑑賞しながらも意識は何処か直ぐ隣りにいる隼人へと向けられてしまっている。
そうこう気にしている内にイルカショーはあっという間に終わってしまった。
緊張してドキドキしていたからか、正直、イルカショー所ではなかった。
「土産でも買いに行くか」
「お土産?誰に買うの?」
「今日ここへ来た記念の土産だ」
「クスクス。隼人って、ロマンチックな所もあるのね」
「笑うな」
おかしくて笑うのを止められない私の頬を軽くつねる隼人。
意外な一面が見られて嬉しく思うわ。