長い夜の甘い罠【完】
車へ戻るとシートベルトを締め、男の運転で来た道を戻る。
貴方に礼を言うなんて本来なら御免だけれど、これも私の虜にさせる為だから仕方ないわよね。
「さっきは取り乱してしまって御免なさい。それと…有難う」
「気にするな」
「何も聞かないのね」
「一応空気は読んでるつもりだ。聞いて欲しいのか?」
「…まさか」
貴方は私が気付いてないと思ってるつもりでしょうけど、全部分かってるんだから。