長い夜の甘い罠【完】


…そんなの嫌よ。

まだ復讐していないもの私。

まだ何もしてない。

死ぬなら復讐してからがいい。

私はまだ死ねない。

両手首を縛る縄から手を抜こうと動かすものの、全くびくともせずでいて。

動かせば動かす程に手首が擦れ皮が捲れているのか痛みが伴うばかりで、抜ける気配がない。

その内、地べたに座っているのもつらくなり、身体が冷え始める。

それから、どれくらいの時間が経ったのだろうか…窓から差し込む夕日の色が薄くなって行く。


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