長い夜の甘い罠【完】


―――トサッ。


……え。

何かが私に向かって倒れて来た。

重みがあって何だか生暖かい。

もしかして私…刺された?


「……貴様」


直ぐ傍の耳元で男の力なき声がする。

…どう言う事?

…どうなってるの?


「…大丈夫か?」


…この声って……私がよく知ってる声だわ。

復讐を考えてる男の声。

…助けに来たって事?

まさかね。

まさか、そんな筈ないわよね。


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