長い夜の甘い罠【完】


「…大丈夫か?」


天井を仰ぎ見る私の身体へ倒れかかる男をぐいっと退けられると、そこには男の姿があった。

って事は私に何かあった訳じゃなく、私を刺そうとした男が倒れかかって来たのね。


「…え、ええ…大丈夫…」

「巻き込んで悪い」

「……いいえ」


まさか助けに来るなんて思ってもいなかったから、本当に驚きだわ。

このまま放っておけば、良かったんじゃない?

どうして助けたりするの?


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