長い夜の甘い罠【完】
……―――ん。
「悪い、起こしたか」
「……え」
もしかして私、寝てた?
ガバッと飛び起きると目の前にいる男と視線が交わる。
ふと身体へ視線を落とすと、シーツを掛けられている。
…もしかして。
「シーツ掛けてくれたの?」
「寒そうだったからな」
「…有難う」
「いや。それより、どう言う風の吹き回しだ?」
「…驚いた?」
「そりゃあな」
男はテーブルに用意されている煮魚やおひたしに視線を向けている。