長い夜の甘い罠【完】


……―――ん。


「悪い、起こしたか」

「……え」


もしかして私、寝てた?

ガバッと飛び起きると目の前にいる男と視線が交わる。

ふと身体へ視線を落とすと、シーツを掛けられている。

…もしかして。


「シーツ掛けてくれたの?」

「寒そうだったからな」

「…有難う」

「いや。それより、どう言う風の吹き回しだ?」

「…驚いた?」

「そりゃあな」


男はテーブルに用意されている煮魚やおひたしに視線を向けている。


< 77 / 231 >

この作品をシェア

pagetop