長い夜の甘い罠【完】


「明日、嵐が来るかもしれないわね」

「全くだ」


男は椅子に腰を掛けると、掛けられたラップを外して行く。

私はお茶碗二つにご飯をよそい味噌汁を入れれば、男と対面する椅子に腰を下ろして二人で手を合わせて頂きますと合掌をする。

男は煮魚から手を付け口へと運ぶと、私へと視線を向けて微笑みながら頭を撫でる。

その表情に不覚にもドキッと胸が高鳴り心拍数が上昇する。

何…今の…。


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