長い夜の甘い罠【完】


「片付けは俺がする」

「…有難う」

「珈琲飲むか?」

「ええ、戴くわ」


食べ終えると、男は私の食べ終えた食器までキッチンへと運びシンクへと置く。

本当は食事が終わるとすぐ帰るつもりだったけれど、少しくらい良いか。

誰かに珈琲を煎れて貰うのも久し振り。前はよくお母さんが煎れてくれてたっけ…。

あの時は私、それが当たり前になってたな…。

もっと有難うを伝えていたら良かった…。


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