長い夜の甘い罠【完】

彼のマンションに着く度に驚かされる。何十階まであるのかって数えるのが面倒な程の高層マンションだもの。

此処に住むのはセレブ達ばかりだわきっと。そんなセレブに紛れた彼がまた憎らしい。

私の家族をどん底に突き落としておきながら、自分は優雅にセレブなんて考えただけで腹が立つ。


「相変わらず豪勢な部屋ね」

「俺には広すぎて困るがな」

「贅沢な人」


二階に着くと玄関のドアが開かれ大理石の玄関に出迎えられ、リビングへと歩む。

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