隣のぼーいふれんどサマ。


「み、やびっ!!」


抵抗すると、雅は唇を離し、あたしを抱きしめたままで言った。


「和紗。そろそろ約束して。僕の隣にずっといて。遠野くんが来て、いつも隣にいた和紗がいなくなって、寂しかった。」


「雅・・・。」


「どこにいても、何をしていても、和紗のことが頭から離れなかった。それに遠野くんと一緒にいるとき、和紗笑ってないんだ。僕、和紗のその笑顔を守れない奴を認めたくない。」


「もういいよ。わかったから。ね?」


「きっと僕なら和紗のこと、ずっと笑顔にさせられるよ。他の人なんて見ないで。もう僕だけ見てて。」


「もう、やめてよ・・・。」


雅は絶対に思ったことを全て、そのまま言う。


だから、雅の言葉は全て、胸に刺さるように届く。


あたしには出来ないよ。


飾らない言葉で、自分の思いを真っ直ぐ伝えられないよ。


でも、これだけは伝えないといけないんだ・・・。

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