隣のぼーいふれんどサマ。
「・・・雅。聞いて。」
雅のようにちゃんと言えないかもしれない。
でも、あたしの気持ちは決まってる。
たとえ、雅のように愛を囁いてくれなくても、優しくなくても、あたしを笑顔にさせなくても・・・
どんなに迷ったって、答えは変わらない。
ただ、答えに辿り着くまでの、問題の解き方がわからなかっただけ。
だって、答えは・・・
答えはいつも同じ。“遠野 俊哉”だから。
「あたし、雅のこと好きだよ。高校に入って、初めてできた友達だと思ってる。初めての隣の席が雅でよかったって思う。」
「うん。」
「雅といるとね、笑顔になれるの。あたしがあたしでいられるの。それは確かだよ。それは雅だからだよ。」
「うん。」
「でもね・・・雅があたしのことを大好きって言うように、あたしも大好きって言える人がいるの。それが、俊哉なの。だから・・・」
声が震えた。
泣いていることに、自分で気づいていなかった。