隣のぼーいふれんどサマ。


「ね、和紗。」


「ん?何?」


雅が満面の笑みで、あたしを見つめる。


「お願い。最後にもう一回だけ、ぎゅってして、キスさせて。」


・・・


「はぁっ!?嫌!嫌!絶対に嫌!!何考えてんのよ、あんたぁ!!せっかく今、いい雰囲気だっ」


ぎゅっ。


・・・今、抵抗している最中なんですけど・・・。


あたしよりも20cmも背が高い雅に抱きしめられると、窒息しそうになる。


それは俊哉と同じで・・・。


俊哉・・・。


「・・・今、遠野くんのこと考えてるでしょ。ダメだよ。今は僕のことだけ考えて。」


「違うよ!俊哉のことなんて考えてないもん!!」


あたし、分かりやすいのかな?


何故か思ってることが、伝わってしまうから。


「応援してるよ、和紗。遠野くんと一緒になれること。だから最後に、今だけ・・・。」


やばっ、キスされるっ!!


そう思って抵抗したが、力では負けてしまう。


思い切り目をつむった。








< 110 / 205 >

この作品をシェア

pagetop