隣のぼーいふれんどサマ。
「ね、和紗。」
「ん?何?」
雅が満面の笑みで、あたしを見つめる。
「お願い。最後にもう一回だけ、ぎゅってして、キスさせて。」
・・・
「はぁっ!?嫌!嫌!絶対に嫌!!何考えてんのよ、あんたぁ!!せっかく今、いい雰囲気だっ」
ぎゅっ。
・・・今、抵抗している最中なんですけど・・・。
あたしよりも20cmも背が高い雅に抱きしめられると、窒息しそうになる。
それは俊哉と同じで・・・。
俊哉・・・。
「・・・今、遠野くんのこと考えてるでしょ。ダメだよ。今は僕のことだけ考えて。」
「違うよ!俊哉のことなんて考えてないもん!!」
あたし、分かりやすいのかな?
何故か思ってることが、伝わってしまうから。
「応援してるよ、和紗。遠野くんと一緒になれること。だから最後に、今だけ・・・。」
やばっ、キスされるっ!!
そう思って抵抗したが、力では負けてしまう。
思い切り目をつむった。