隣のぼーいふれんどサマ。


聖奈の言う“向こう”とは、アメリカのことらしい。


俊哉に会うためにフランスからアメリカへ行ったとき、俊哉の家にいた女が“エリカ”だったそうだ。


聞けば俊哉は、「親戚の“エリカ”さん」と言ったらしい。



・・・親戚か。


「まだわかんないよ?“エリカ”っていう名前だったらその人かな、って思っただけだからね?!」


「うん。ありがとう。」


とりあえず彼女の線が消えたので、ほっとする。


「でもね・・・。あの人とはあまり関わらない方がいいかも。」


聖奈がワントーンも落とした声で、マドレーヌをかじりながら言う。


「何で?」


「あの人、とある女の人をすごーく恨み続けてるらしいの。何か酔ってたからハッキリと話してたわけじゃないよ?でもね、言ってたんだ。」


「うん。」


「私は絶対に仇討ちをするんだ。絶対に許せない人がいる。その人を殺すまで私は恨み続ける、 って・・・。」


・・・仇討ち・・・?


「何か聞いたところによると、結婚間近だった彼氏さんを事故で亡くしたらしくて。その事故のときに一人だけ助かった女の人を恨んでるんだって。」


その言葉を最後まで聞いたとき、またあの頭痛が始まった。

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