隣のぼーいふれんどサマ。
どこかでそんな予感はしてた・・・。
でもそんなはずはない、って信じ込んでいた。
俊哉の両親は事故で亡くなった。
その事実だけは知っていたけれど、まさかあの事故だとは知らなかった。
ううん。記憶の中から消されていたんだ。
あたしはそれを忘れて、どれだけ俊哉を傷つけたのだろう。
俊哉だけじゃない。恵梨香さんだってそうだ。
あたしが大切なことを忘れて、記憶をいいように書き換えたせいで、どれだけ悲しんだ人がいたことだろう。
あたしは、最低な人だ。
最低じゃ表せないくらい、本当に最低で最悪な人。
涙を零す俊哉に、声をかけることができなかった。
何て言えばいいのだろう。
何も言えることがない。
俊哉はきっとそうやって、言いたいことをすべて飲み込んできた。
怒りをぶつける場所もなく、ただ悲しみを飲み込んできたんだ・・・。
「・・・っごめんなさいっ・・・。」
「何でカズが謝るんだよ。」
「だって、あたし・・・。」
「カズは何も悪くないよ。誰も何も悪くないんだからな。」
そう言って涙を零しては、説得力がない。
「あたしが悪いの・・・。」
「違うよ。お前は被害者なんだから。・・・続けるぞ。」
あたしは本当に被害者なの・・・?