隣のぼーいふれんどサマ。
「・・・それから?」
「・・・あの日のことは死ぬまで・・・いや、死んでも忘れない。忘れられない。」
あの日、それはあの事故の日。
「カズの12歳の誕生日。誕生日プレゼントを買いに行って、カズの大好きな絵を美術館に見に行った帰りのことだ。」
俊哉は静かに目を閉じる。
その表情は怒り?哀しみ?憎しみ?色んな感情が入り混じっている。
「夜遅くなって、歩いて帰っている途中に、ともにぃとカズはある人が乗る車に出会ったんだ。一台の白いワゴン車。運転席に座る人に声をかけられて車に乗ったんだろう。」
白いワゴン車。
それはあの残像の事故に出てくる車。
あたし達が乗車していた車。
「誰だったの?」
「・・・」
俊哉がいっそう溢れそうになる涙をこらえる。
急にどうしたの?
「・・・俊哉?」
声をかけると、こらえきれない涙と嗚咽が、同時に漏れたようだった。
「っ・・・運転席に乗っていたのは、遠野 潤哉。俺の親父で、助手席に座っていたのは、遠野 麻衣子。俺の母さんだ・・・・。」
その言葉を聞いた瞬間、何かが心を、体を貫いた。