隣のぼーいふれんどサマ。


「ごめんね。」


あたしは一言だけ言った。


「・・・ふざけんなよ。朝飯用意しとけって電話したら、お前でねぇし。何回かけてもでねぇから帰ってきたんだよ。そしたら・・・」


俊哉がふてくされたようにあたしの耳元で呟いた。


「ごめん。」


「死んでるかと思ったんだからな。ふざけんな。」


「・・生きてるよ。」


「そう簡単に死なれたら困るんだよ。」


俊哉があたしの手を優しく包む。


あたしが何で?と視線で伝えると、俊哉が小さく笑った。


「俺様の世話、誰がするんだよ。」


「な、何それ?あたし生きてたってそんなことしないし!それなら死んだほうがマシ!!」


あたしが早口で言い終わると、俊哉は口元を緩めて「嘘に決まってるだろ」と笑った。


「じゃあ、何で?」


今度はちゃんと言葉で訊く。


「・・・この手、死んでも離すつもりないから。」


今度の俊哉の笑みは、ほくそ笑む笑みだった。


あぁ、いつもの俊哉“サマ”だ。


安心したせいか、一筋の涙があたしの頬を伝った。


俊哉、大好き・・・。
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