隣のぼーいふれんどサマ。


その日の休み時間も、お昼も、放課後も、ずーっと雅はあたしにくっついてきた。


正直、女々しすぎて疲れる・・・。


これが好きな人なら嬉しいんだけどね。


こんな女子みたいな男子(しかも嫌いな奴)にくっつかれてもね。


ちなみに今は、どこへ行ったのか雅はいない。


雅が帰ってくるうちに、さっさと帰るか。


鞄を手に取って、階段を降り、玄関へ向かうと雨が降っていた。


うわっ、傘ない!!


天気予報は雨なんていってなかったじゃん!!天気予報のバカ!もう信用しない!


・・・仕方ない。濡れますか。


ため息をつきながら外に出ようとしたとき、誰かにぶつかった。


そのはずみで、あたしは後ろに転ぶ。


「痛っ・・・。って、あの、すいません!!」


ぶつかった人の方に向かって言う。


返事はない。


・・・あたしが100%悪くても、普通であれば謝らないですか?!


顔をあげて、その非常識な人の顔を睨みつけた。


「あ。」


あたしがしっかり睨みつけたその顔は、見覚えのある顔だった。


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